組み込み系を目指す前に伝えておきたい,現役のしがない学生からのアドバイス
はじめに
この時期になるとWeb系の方々が新卒エンジニアやこれからエンジニアを志す方々にわかりやすくアドバイスを述べている記事を見かけます.
ただ,悲しくも組み込み系やメーカ系,研究系など他にもたくさんの業種があるのにあまり書かれてないのは,寂しいですね. なので,たまには御託並べて(ポエム)みるかなと思って組み込み系に纏わる話を書きました. ただ,僕はその道のプロでもなく,しがない学生が趣味や学生プロジェクトを通じて得た経験でしかないというのは前置きしておきたいと思います.
ちなみに,一番最初に出てくるテスラの写真はなんの意味もありません.ポエムにはこういう海外の偉人を張っているのを見かけるので,張りました.
タイトルはなんとなく「アドバイス」とか「現役エンジニア」という言葉が入っているものが多い気がしたので,もじったりして決めました.
組み込み系とは
組み込み系というと自動車や炊飯ジャーに入っている小さな電子回路を設計・開発することです.
そう考えると組み込み系ほど世の中に浸透しているコンピュータってwebの比じゃないくらい普及してますね.
このあたりに興味のある人なら組み込み系を目指すべきかなと思います.
ハードウェア
電子回路というのは,半導体をつかった回路のことです.ちなみに,抵抗器やコイル,コンデンサ(蓄電器)だけをつかった回路を電気回路と言います.
- 回路の設計・開発の流れとして,
- 回路図を引く
- 回路図通り回路を結合
- 動作確認したらハンダ付けして完成
っていうのがざっくりとした流れです.
ハードウェアを設計・開発するのに必要な知識・スキルとしては,
これさえあれば,OKです.そういえば,電子回路というと工業数学をきちんと理解してないと使えないって思う人がいるのですが, オームの法則を知っていれば大丈夫です.日頃使うのはそのくらいで,殆ど経験(他の人の回路図を参考にしたり)に基いてテキトーに決めうちして置きます(爆弾発言かな).
わかりやすく解説した本がたくさんありますので,なんでも良いですが,一応おすすめを載せておきます.
この本は面白い回路ももちろん,どういう動きをするのかをきっちり載っている本です.
ここに載っている回路を読んで理解できれば良いです(難しくてわからなくても大丈夫です).
実際に組むときには,紙に簡単な回路を書いて,ブレッドボードと呼ばれるものの上で使えるようになりましょう.
さらに深めたい方には次のような書籍やサイトをおすすめします.
僕は非常に不器用でハンダ付けがとても嫌いだったのですが,この動画をみて身につけました.正しいハンダの付け方を学ぶことをすすめます. ちなみに自分は器用だという人でも見ておくと良いです.たとえば,ハンダはコテの余熱で溶かすとか,ハンダが溶けたときに発生する煙(フラックス)にはきちんとした作用があるとか.
これは興味があれば読んでみることをおすすめします.この内容を把握しつつ回路を組めるようになれば凄いです.
KiCad EDA Software Suite - Kicad EDA - KiCad EDA
一人で始めるプリント基板作り[完全フリーKiCad付き](SP No.127)
回路を組むときに紙に線を引いても良いですが,KiCadという回路エディタがあるので使えるようになるのをおすすめします.
他にはEagleなどもありますが,KiCadはオープンソースで作られたソフトです. こちらの使い方も知っておくと良いでしょう.ただ,個人的に悲しいのはGUIベースが多くて面倒なところですね. 実は細々とCUIベースの回路エディタなんかもつくってたりしてます.まだまだ道程は遠い(見せられるものではない)...
HAYASAKA-Ryosuke/zamza · GitHub
さて,KiCadに話を戻すと,回路図を作る以外に,プリント基板の設計図を作る機能もあります.
プリント基板とはパソコンを分解したときとかおもちゃの中にある緑色の基板です.こういう回路も個人でできちゃいます. 作り方ですが,KiCadで設計図をつくって,それを業者に渡すと,掘ってくれます.
- 有名な業者としては
海外だと中国あたりが安く仕上げてくれます.
また,こういう業者を利用しないで自分で作ることもできます.感光と呼ばれる方法です. ただし,この方法を取るのは正直おすすめしません. 感光は面白いですが,ゴミの廃棄などが面倒だったり,暗室をつくってあげないとならず, ちょっと面倒です(一度やってみるのをおすすめしますが)
さて,色々書いてみましたが,肝心のパーツはどこで買うかを書いておきますね.部品の入手方法はさっきの本でも紹介されていると思うのですが,「電子パーツ店一覧」で載せておきます.
電子パーツ店一覧
電子パーツ店の中で有名で,下記にも紹介する,Arduinoが購入できる店をここで載せておきます.
ここの店は普段からチェックしておくと,新型のセンサなどが販売されたときにすぐに購入して電子工作ライフが充実すると思います.
- 秋月電子通商 - 電子部品・半導体 【通販・販売】
- せんごくネット通販
- 電子部品・半導体パーツの通販 販売 | マルツオンライン
- Wakamatsu PS/PLAZA for Creators
- トップページ - スイッチサイエンス
- http://strawberry-linux.com
- 【共立エレショップ】eleshop.jp:電子部品,半導体,キットの通販
他にも全国に沢山の店があるので覗いてみると良いかもしれません.
マイコン
今なら,Arduinoというとても簡単に使えるマイコンがあり,こちらを購入しましょう.
10年くらい前ならpicやavr,H8,SHマイコンあたりを購入して,データシート(レジスタの説明が載ってる紙)と呼ばれるものを読んだり,解説書のサンプルプログラムを見ながら地道に習得したものですが,Arduinoをつかえば,僕が10年前に1ヶ月間で習得したことをArduinoをつかえば,1週間くらいでできちゃいます. これをつかったときこんな簡単にできちゃうのかと嬉しくもあり,ちょっと悲しみ(老害感)も感じたものですが,とりあえずこれをおすすめします.
もちろん,Arduinoは簡単に使えるゆえに,あまり最適化することができず,無駄なルーチンも走ったりするので,動作が遅いという問題などはありますが,まずはマイコンって簡単じゃんっていう感覚を持つのが大事かなと思います. 普段使う分にはこれで足りることも多いです.
さて,これはどこに売っているかといえば,上記に載せた「 電子パーツ店一覧」で記載した店で購入できます. なお,Amazonでも購入することができます.
Arduinoは本がたくさんあってわかりやすいものも多いです.ハードウェアの勉強にもなると思います.
O'Reilly Japan - Arduinoをはじめよう 第2版
- とりあえず,マイコンを使う上で習得してほしい技術
- Lチカ(LEDをチカチカ点滅させる)
- シリアル通信(PCと通信)
- A/D変換(電圧値を読みとる.センサの値が電圧値として出力されるものもあるため)
- I2C(EEPROMやセンサを動かしたり)
- SPI(センサやSDカードを動かしたり)
ざっくりこんなところです.
これらは必要に応じて覚えていくと良いでしょう. とりあえずLチカで電流のON,OFFができたり,シリアル通信でパソコンに文字を送受信したりできれば良いです.
Arduinoで一通り理解できたら,PICやAVRなどにも手を出してほしいです. ここに紹介しておくのはPICマイコンです. 正直,僕は好きじゃないのですが,悔しいけど何だかんだ書籍が充実していて,理解が早いです.
ArduinoはProcessingをつかって書けるのですが,大半のマイコンはC言語やアセンブラです. しかも,すごく小型なデバイスに組み込みたいときとかにはそのまま使うには面倒です.
書籍では後閑さんという方の本がPICでは有名で,わかりやすくておすすめです.
日頃から学ぶ
この手の分野ではCQ出版社の雑誌が有名です.
いろんなところで公開
組み込み系というとウェブで検索してもそんなに詳しい情報が出てきませんね. あんまり知らないので,誰か教えてほしいです... 教育関係では結構知っているのですが,一般向けはほとんど知りません.
- 一般向け
面白い作品を公開するものらしいです.知らなかったのですが面白そうです. P版ドットコムというプリント基板を受注して掘ってくれる会社があるのですが,こちらが主催しているようです.
高専や高校,大学向けについても載せようと思いましたが,所属していれば自然とわかりそうですし,書くと身バレしそうなので(あんまり隠してないけど),なんとなく避けておきます.Twitterなどでメンション送ってもらえれば答えるかもです.
まとめ
ネタ記事で組み込み系ポエムを書いた.